2011年12月10日 ()

つかのまの新月

さて、皆既月蝕です。

記録をたどると前回ちゃんと見たのは2000年の7月16日の日曜日。その後も日本で観測できる皆既月蝕は何度かあったはずですが、記憶にありません。 Twitterのツイートでも多くの人が同じ感想を持っているようで、おそらくここ11年の間にあった国内の月蝕はほぼ天候に阻まれたのではないかと推察します。

その11年前の月蝕ですが、乙女高原で眺めました。それ以前は「月蝕なんてものは都会でみれば十分だぜ」と思っていましたがさにあらず。蝕の進行とともに現れる星々の輝きに目を奪われること夢のごとし。これを忘れられずに今回も遠征したのです。

行き先は富士山。GPVや卓越天気で皆既時間帯に一時的に天候が傾くらしいことが事前に分かっており、雲の時間・空間分布をみながら慎重に行き先を選びます。いつもの富士ヶ嶺高原は雲の中。一方で、雲の少ない平野部は満足な星空がのぞめないと考え、富士北麓の本栖湖・精進湖・西湖エリアを探索、紅葉台付近の駐車場に機材を設置しました。

ほぼ皆既の瞬間に出現する天の川はやはりすばらしい。冬のダイヤモンドの芯にぼんやりと見える赤い月はなんとも幻想的で、凍える寒さも我慢できるというものです。

富士山付近はちょうどこの皆既の時間帯に予定どおり小さな気圧の谷が通過したらしく、気づいたら観測機材にびっしり霜がおりておりました。本当は月が輝きを失うと同時に星々の世界があらわれる様をtime-lapseに撮りたかったわけですが失敗。次の機会を伺うことにします。

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