獅子座流星雨の夜

2001年11月18〜19日の獅子座流星雨のありきたりな記録です。 ありきたりですがこれを見た多くの人と同様強い感銘を受けたので 箇条書ながら記録に残しておきます。 瑞牆山の西斜面、標高1600メートル程の、 ほぼ全天の見渡せる場所で見てきました。最微6等・快晴でした。

始まりは 22:50

東西に流れた長大な青い流星。 GPS接続したPCで確認する と、輻射点はまだ地平線下 1度にある。天頂引力を受けながら地面にほぼ水平 に飛んで行ったのであろう。 98年にもこんなのあったなあと思いながら見ていると、やがて同様の長経路で、 発光時間の長い流星がたびたび出現。今後の活動を予感させる。 そして 00:00 を過ぎるころ、これが本当に活発な活動になってくるのである。

01:00 ごろ、

通常の流星群の活動の域を次第に越えはじめる。 当初は出現するごとに「飛んだ」と叫んだり星座名を唱えたりしていたが、 しだいに「あー」とか「おー」とかいううめき声のみに。 流星は明るいものが中心。痕の残るものも多数。華々しい。 ISO1600 のフィルムを持ってきたので、リニア彗星 (2000WM1)を眺めていた双 眼鏡を三脚からはずして、OM-1 をマウント、適当に固定で撮りはじめる。

周囲には数パーティがまばらに陣取り、どのグループもそれなりに慣れた天文 ファンのようである。計数を行っているグループも。 いろとりどりな流星が、いきつく間もなく次から次へと現れるので飽きさせな い。10分、20分の時間経過をとても長く感じさせる。

02:00 ごろ、

火球雨の様相を呈している。視野をつぎつぎと流星が赤くながれ、 青く爆発する。爆発し、周囲を明るく照らした直後に消滅した後、痕のみが残 るもの。三つ、四つが並行して流れるもの。車のウィンドウに反射し、振り向 きざま爆発するもの。現われるたびに叫び声があがる。

車の FM ラジオをつけて 80.0MHzの東京FMをワッチしてみる。東京からの直接 波はとどかないはずだ (VHF は通常の電離層には反射しない) が、ノイズ下に かすかに音楽が聞こえており、ときおり数秒間にわたって連続して音楽や人の 声が明瞭に流れる。流星散乱波による伝播が起こっているのである。

02:30 ごろ、

少し活動が鎮静化。ということは、今までのが第一のピーク (trail/9-rev) だったのだろうか。 しかし、すぐさま活発な活動が再開する。

03:00 、

最大のピーク。みなが無言になってしまう。視野には常に同時に多数 の流星が存在し、数を数えることすらできない。大爆発を起こし、数分間以上 持続する流星痕が空のあちこちに雲のように浮かんでいる。北 - 東 - 南 - 西に身体を向けると、周囲のすべてが天界を追放された星々である。荘重であ る。

既に高くのぼったしし座を見あげると、黄道光を背景にして流星が四方に泉の ように湧き出ている様がわかる。放射状に痕がいくつか残っているが、良く見 ると、輻射点の位置が、知られているものよりも東に寄っていることに気づく。 仲間の一人は、明かに輻射点のずれた複数の流星が同時に流れているのを見た という。 9-rev と 4-rev のクロスだろうか。

NHK の中波放送を聴いてみる。渋谷の街でも見えているとのこと。雲間から眺 めているところも少なくないようだ。

04:00 、

活動が収束傾向をみせる。とはいえ、「降っている」状況にかわりは ない。薄明がはじまっても、多数の火球が青空の中に輝く。 日の出直前、二すじの火球の痕がギラリと輝いた。おそらく、痕の高度ではす でに太陽がのぼってきており、その光を反射したものが見えているのだろう。 やがて近くに鹿の声が聞こえ、神々の宴に終りの刻をつげたのだった。


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