2012年1月26日 (木)

ニコン10ピンレリーズUSBコントローラ

ニコンのデジカメは、PTP(Picture Transfer Protocol)を使うことでUSB経由でPCからの撮影操作、パラメータの変更、撮影画像の取得ができます。ところが残念ながらバルブ撮影時は(少なくともD700は)PTPによるシャッターレリーズができないようです。Camera Control Pro 2の取説にもバルブ時のレリーズができないことが記載されています。

この仕様は天体撮影にははなはだ都合が悪いので、10ピンコネクタでカメラに接続するUSBレリーズコントローラを作成することにしました。サンプルソフトウェアはホスト側のOSとしてUNIX系を想定していますが、他のOS での利用も容易だと思います。

材料

すべて秋葉原で入手可能です。三千円ちょっと。

リモートコードの分解

ニコン10ピンコネクタはニコンの専用品で、単体部品としては入手できません。そこでケンコーなどの互換リモートコードから取り外して流用します。

スイッチボックスを分解するとコードから黒、白、赤の3本のリード線が来ています。10ピン側をカメラにつないで各リード線の機能を調べます。黒はGND、白と黒を結線すると半押し、白黒赤をすべて結線するとレリーズすることがわかります。

黒: GND
白: WUP (半押し)
赤: RLS

なお、ニコン10ピンコネクタのピンアサインや機能はいろいろなところで解析されています。興味のある人は検索してみてください。

結線

リードリレーにUSB-IO基板とリモートコードを以下のように結線します。

リレーの2次側(その1) ---- リモートコード黒
リレーの2次側(その2) ---- リモートコード赤と白
リレーの1次側(マイナス) ---- USB-IO GND
リレーの1次側(プラス) ------ USB-IO J1-2

リレーの1次側はUSB-IO基板のJ1-0〜7のどれにつないでもかまいませんが、私はJ1-2につなぎました(写真の緑のコード)。深い意味はありません。 J1-2以外のポートにつないだときはソースコードを変更してください。

また、リレーとポートを二つ使えば半押しとレリーズがそれぞれプログラムでコントロールできるようになるはずです。

プログラム

このコントローラをUNIX系OSでコントロールするにはlibusbを使います。サンプルソースコードは以下のとおり(二条項のBSDライセンスつけときますが免責目的です)。FreeBSD 8.2-RELEASE で動作を確認しました。

% sudo ./rnikon [on|off]

でレリーズのオン・オフを行います。Windows用のプログラムは作りませんでしたが、USB-IO関連のサイトを検索すれば作り方はすぐにわかると思います。

コメント

お名前:



円周率を小数点以下二桁まで入力してください:


最近のコメント


つぶやき



過去の記事



現在の星空